クレジットカードの審査の基本的なことは何?

クレジットカードを作るためには審査を受けることが必要ですが、なぜ審査が必要なのでしょうか?
また、審査ではどのようなことが調べられるのでしょうか?
はじめてクレジットカードの申し込みをする人は、こうした疑問を持ったり不安を感じたりする人が多いかと思います。
今回はクレジットカード審査の基礎情報として、そもそも審査とは何かということから具体的な審査内容までを詳しく解説します。
クレジットカードの申し込みをする前にひと通り目を通して疑問を解消しておけば、安心して申し込むことができますよ。
クレジットカードの審査って何
そもそもクレジットカードを作るのになぜ審査が必要なのか、審査の仕組みはどうなっているのかを解説します。
クレジットカード審査を行う理由は?
クレジットカードを発行するのは個人にたとえると、知人にお金を貸すことに似ています。
例えば、友達に10万円のお金を貸すと考えると、なぜクレジットカードを発行するのに審査が必要なのかがわかりやすくなります。

「今月、生活が苦しいんじゃ…10万円貸してくれんかのう?」と言ったらおぬしは貸してくれるかのう?

たとえ先生でも10万円を貸すのは簡単はできないっす。
先生が確実に返済できることがわからないと不安でお金を貸すことはできないっす。イヤっす。
そのため友達の収入や毎月どれくらいのお金を返済できるのかを、聞いたり調べたりするくらいのことは当然したくなりますよね。
クレジットカードのカードショッピングの仕組みは正確にはお金を貸すことではなく、カード会社がカード加盟店に立て替え払いをすることですが、実質的にはお金を貸すのと同じリスクが発生します。
そのため、クレジットカード会社が顔も直接見たことがない人に、10万円を自由に使えるカードを発行するときに、その人に返済できる能力があるのかを調査するのは当然のことと言えます。
それでは具体的にどのような仕組みで審査が行われているのでしょうか?
クレジットカード審査の仕組みは?
クレジットカード会社で審査をする仕組みは「スコアリングシステム」と呼ばれています。
スコアリングは点数を付けるという意味ですが、簡単に説明すると申込書に記載する項目に点数を付けて、合計点数が合格点に達したときにクレジットカードを発行するという仕組みです。
わかりやすいように勤務関係の審査項目を例にして具体的に説明します
審査項目 | 選択肢 | 配点(10点満点) |
---|---|---|
勤務先 | 1.上場企業 | 10 |
2.医師、弁護士など | 10 | |
3.官公庁、地方自治体 | 8 | |
4.一般企業 | 5 | |
5.個人事業 | 3 | |
勤務形態 | 1.会社役員・医師など | 10 |
2.公務員 | 8 | |
3.正社員 | 5 | |
4.パート・アルバイト、派遣、自営 | 3 | |
5.日雇い | 1 | |
勤務年数 | 1.10年以上 | 10 |
2.7年~10年未満 | 8 | |
3.5年~7年未満 | 5 | |
4.1年~5年未満 | 3 | |
5.1年未満 | 1 |
※上記の審査項目や配点はわかりやすく説明するために使用しているものなので、実際に審査に利用されているものではありません。
上記の場合、合計で10点であれば審査を通過すると考えると、ひとつの項目の点数が低くても審査を通過する可能性は高くなります。
実際の審査では審査項目は数多くあるので、どのような場合に審査を通過するというのは一概には言うことができません。
流れはどうなっているのか
クレジットカード会社によって名称は違いますが、カードセンターや審査センターというクレジットカード審査専門部署で審査が行われています。
全国からクレジットカードの申込書や申し込みデータが、審査部署に集められ審査が行われます。
審査の流れは以下のようになっています。
- 1.申し込みの受付・入力
- スキャナーで申込書を読み取ったり、オペレーターが入力したりする
- 2.スコアリング
- コンピューターが入力された内容を自動的に採点
- 3.在籍確認
- 会社員の場合は勤務先に勤めているかどうかを電話で確認
- 4.審査終了
- 審査通過の場合はカード発送、却下の場合は却下状の発送
2番目のスコアリングシステムによる審査の流れはシンプルで、全自動審査の場合はコンピューターにデータを入力するだけで審査結果がわかる仕組みです。
全自動ではなく審査担当者が判断を下す場合でも、コンピューターによる診断をチェックし総合的に判断するというだけなので、審査スピードが速くなる特徴があります。
実際に勤務先に勤めているかどうかを確認する3番目の在籍確認だけは、自動ではできないので専門の担当者が直接勤務先に電話をすることになります。
在籍確認で問題がなくスコアリングも合格点に達していれば、クレジットカードが発送されますがクレジットカードによっては店頭やクレジットカウンターなどで直接受取ることも可能です。
クレジットカード審査はどこがしているのか?
当然、クレジットカード会社が審査をしていますが、正確に言うとクレジットカード発行会社が審査をしています。
実はクレジットカードの発行に関わっている会社には以下のように複数の会社があります。
- 国際ブランドの提供会社
- クレジットカード発行会社
- 提携企業
現在日本で発行されているクレジットカードは海外でも利用できる国際ブランド付きのカードがほとんどです。
国際ブランドには以下の5つがありますが、自社でクレジットカードを発行しているのは3~5の3社です。
- VISA
- Mastercard
- JCB
- アメリカン・エキスプレス
- ダイナースクラブ
VISAとMastercardはクレジットカードを発行しないので、審査をすることはありません。
しかし、JCB、アメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブについては、国際ブランドをクレジットカード発行会社に提供すると同時に、自社でもクレジットカードを発行しています。
このカードはプロパーカードと呼ばれていますが、プロパーカードの発行をする場合の審査は国際ブランドの発行会社であっても自社で審査をします。
また、クレジットカード会社が企業と提携して発行するクレジットカードを提携カードと呼んでいますが、この場合も提携企業ではなくカード発行会社が審査をします。
審査基準を満たすとは?

クレジットカードが発行して貰うには、審査基準を満たす必要があるんすよね?
そもそも「審査基準を満たす」というのは、どーゆーような意味なんっすか?

クレジットカード審査のシステムから考えると、「審査基準を満たす」=「スコアリングの合格点に達する」ということになるんじゃ!
各審査項目の点数を積み重ねて、そのクレジットカードを発行するのに必要な点数に達すると、クレジットカードが発行されます。
審査基準を合格点と置き換えて考えるとわかりやすくなりますが、合格点はどのクレジットカードでも一律に同じではありません。
審査基準はクレジットカード会社によっても違いますが、同じクレジットカード会社が発行するカードでも、その種類やグレード等によって審査基準に違いがあります。
そのため同じ人が申し込みをしても、審査基準を満たして発行されるカードと、審査基準を満たせずに発行できないカードが存在します。
わかりやすい例にたとえると、カード利用枠10万円の一般カードの審査基準を満たす人でも、カード利用枠100万円のゴールドカードの審査基準を満たすことができずに審査を通過しないということはよくありますね。
審査基準と入会基準は違う!
審査基準は社外秘なので公開されていませんが、クレジットカード会社のホームページでは、クレジットカードごとに入会基準は公開されています。
同じクレジットカードの入会に関する基準ですが、審査基準と入会基準では大きな違いがあるので混同しないようにしましょう。
- 審査基準
- 審査を通過するためのボーダーラインのことで、審査基準を満たすとカードが発行される。
- 入会基準
- 申し込みできる最低限度の基準のことで、入会基準を満たした場合に審査の対象となる。
上記のように審査基準と入会基準でははっきりとした違いがあり、審査基準は未公開で入会基準は公開されている特徴もあります。
入会基準は主に年齢制限などが条件として公表されていて、一般カードでは18歳以上(高校生を除く)という条件が必ず記載されています。
さらに未成年の場合は親権者の承諾が必ず必要となります。
また、ゴールドカードなどグレードの高いカードでは、20歳以上や25歳以上、30歳以上といった年齢制限が付くことがほとんどです。
収入に関しては具体的な年収額が条件となることはほとんどなく、「安定した継続収入がある」といった表現にとどまっています。
これは年収の高さよりも、年収の安定性がより審査によって重要なポイントだということが関係しています。
カード年会費、カード利用限度額と審査の関係

クレジットカードの審査基準は、年会費や利用限度額と比例して難しくなる傾向にあるので覚えておくとよいぞ

つまり年会費が高く利用限度額が大きいクレジットカードほど、入会するのが難しくなるということっすね。
これは一般カードの年会費や利用限度額と、ゴールドカードの年会費・利用限度額を比較してみるとよくわかります。
- 一般カード
- 年会費は無料または税抜1,250円、利用限度額は10万円~。
- ゴールドカード
- 年会費は税抜10,000円、利用限度額は50万円~。
クレジットカード会社によって多少の違いはありますが、標準的には上記が一般カードとゴールドカードの年会費と利用限度額となります。
同じ一般カードでも年会費無料のカードは、年会費有料カードよりも入会しやすい傾向があります。
たとえばJCBや三井住友カードの一般カードよりも、年会費無料のセゾンカードのほうが入会しやすくなっています。
年会費無料カードは、クレジットカード会社がより幅広くカード会員を集めたいために、年会費を無料にしているという側面があるからです。
そのため結果的に年会費無料カードは入会しやすいのです。
これに対してゴールドカードのように利用限度額が高いほど入会が難しくなるのは、それだけ高い返済能力が求められるからということで、審査が難しいのは納得できますね。
借入状況との関係
スコアリング方式の審査システムでは、審査項目を点数化して合計点数で審査を通過するかどうかを決めるので、ひとつかふたつ弱い審査項目があってもカバーできる可能性があります。
そのためたったひとつの審査項目が悪かっただけで審査に落ちる可能性は低くなっていますが、中にはひとつの審査項目が原因で審査を通過できないケースということがあります。
しかし、過去の利用状況や現在の借入状況などは、内容によってはそれだけで審査を通過できない可能性があります。
クレジットカードやローンを利用した記録は個人信用情報機関にすべて記録されていて、クレジットカード会社が審査をする場合は必ずそれらの情報が参照されます。
個人信用情報機関とは?
個人信用情報機関には以下の3社がありますが、クレジットカード審査に関してはCICとJICCが大きく影響します。
- CIC(シー・アイ・シー)
- JICC(日本信用情報機構)
- KSC(全国銀行個人信用情報センター)
CICを例にして利用状況がクレジットカード審査にどのような影響があるのかを説明します。
CICには申し込み情報やクレジット情報が記録されていますが、クレジット情報の中には過去や現在の契約内容や利用状況、長期延滞などの事故情報が記録されています。
個人信用情報機関に以下の情報があると審査を通過するのは難しくなります。
- 長期延滞の記録(3ヶ月以上)がある
- 複数の延滞記録がある
- 自己破産記録がある
- 他社の利用件数や残高が多い
- その他の事故記録がある(保証履行など)
延滞記録がなくても極端に残高が多い場合には、審査を通過しない可能性が高いので気を付けましょう。
保証履行は保証会社付きの銀行融資などを利用した人が3ヶ月以上延滞して、保証会社が立て替え払い(代位弁済)をしたという記録です。
クレジットカード審査と人との関係
クレジットカードの審査では申し込み者の返済能力や収入の安定性が重要なポイントとなりますが、それらを判断する材料として申し込み者の属性があります。
属性というのはクレジットカード申込書に記載する個人情報のことですが、特に勤務に関する情報は審査の重要なポイントになります。
無職、フリーター、パート、主婦(主夫)、学生と審査の関係
クレジットカード審査では収入が安定していることが審査の重要なポイントですが、一般的に考えて収入が安定していないと判断されるのは以下のような人ということになります。
- 無職
- フリーター
- 専業主婦(主夫)
- 学生
1の無職に関してはそもそも収入がないので、クレジットカードの審査を通過しないのは当然のことと言えますね。
また、フリーターのように同じアルバイトしている人の中でも職を転々としている場合には、勤務年数が常に短いので安定した収入があるとは言えません。
しかし、専業主婦(主夫)や学生の場合は、同じ無職でもクレジットカード審査では少し扱いが違います。
専業主婦(主夫)は配偶者の収入を世帯収入と判断することで、ある程度自由に使えるお金があるとみなしてクレジットカードを発行します。
学生も親権者の収入があるので主婦と同じように自由に使えるお金があると判断できます。
ただしどちらの場合もカード利用限度額はそれほど大きな枠は与えられず、10万円~30万円の範囲内となることが多くなります。
学生も主婦もパートやアルバイトをしていて勤務年数も1年以上の場合であれば、パート・アルバイトの扱いとなるためより審査に通過しやすくなります。
仕事に就いていなくても収入があれば無職ではない!(不労所得と審査)
無職というのは一般的に考えると仕事をしていない、職に就いていない人ですが、クレジットカード審査では職に就いていなくても審査を通過するというケースがあります。
労働をして得た報酬ではない所得を不労所得と呼んでいますが、不労所得でも定期的に得ている場合はクレジットカード審査の対象となります。
不労所得には以下のような所得があります。
- 預貯金や国債などの利子、利息
- 株式の配当
- 不動産賃貸による家賃収入
- 年金受給
上記以外にも宝くじや公営競技の当選金も不労所得ですが、安定性がないのでクレジットカード審査では収入とはみなされません。
上記の中でも預貯金の利息はよほど高額な預金がない限り、現在の金利情勢では生活費以上の利息を得ることは難しいでしょう。
20億の定期預金があれば、年間200万円程度の利息が付くのでクレジットカード審査の対象にはなるかもしれませんが、それだけの預金があればクレジットカードは必要としないので非現実的ですね。
株式配当も同じく生活を維持するだけの所得は難しいので、現実的には不動産所得や年金受給が無職でも審査を通過する可能性があると言えます。
不動産賃貸は持っている不動産を活用して得る収入なので、不動産を持っている限り継続した収入が得られます。
年金受給は収入ではなく給付金の受給ですが、これも生きている限り国から支給されるので、安定した収入とみなすことができます。
勤務先と勤続年数と審査について
勤務先や勤続年数といった審査項目も、クレジットカード審査では収入の安定性を示す項目として重要です。
具体的にJCB一般カードの申し込みフォーマットで選択できる職業の種類を見てみましょう。
- 一般企業にお勤めの方
- 派遣社員・出向中の方
- 公務員の方、学校・医療関係にお勤めの方
- 自営業(経営者)の方
- 自営業(医師・弁護士・会計士など)の方
- 自由業(著述家・芸術家など)の方
- 学生の方
- パート・アルバイトの方
- 不動産などが主な収入の方
- お申込人が無職で配偶者に収入がある方
- 上記以外の方
JCBでは上記の職業からひとつ選択できますが、複数の職業を持つ場合にはさらにもうひとつ選択が可能です。
また、具体的な勤務先名や連絡先などを記入する欄も別に用意されています。
上記の中では職業の属性が高いと判断できるのは3と5の職業ですが、その理由は収入が高いからではなく収入の安定性が高いということです。
特に公務員の場合は一般企業のように倒産の可能性がなく、年収はそれほど高くなくても安定性があると判断できます。
医師や弁護士は高収入であることが多いですが、それ以上に取得が困難な国家資格を持っているということで安定した収入が得られる点が職業としての属性の高さにつながっています。
これら以外の職業についても、職業の選択肢に含まれていること自体が申し込みの対象になるので、一般カードであればそれほど高い属性の職業に就いている必要はありません。
年収と審査の関係
高い年収が必要とされるのはゴールドカードやプレミアムカードといったグレードの高いクレジットカードであって、一般カードでは高い年収は必要ありません。
クレジットカードの入会基準では年収制限を明確にしていることはほとんどありませんが、アコムのデータに年収と審査に関する参考になる情報があるのでご紹介しましょう。
アコムの公式ページにはアコムのカードローンを利用している会員の年収に関するデータが公開されています。
参照元:主婦、契約社員、派遣社員、アルバイトのお客さま
これによると65.2%は年収200万円超500万円以下の年収ですが、次に多いのが200万円以下の25.3%です。
つまりアコムカードローンの会員の1/4は年収200万円以下ということになります。
もちろんカードローン審査とクレジットカード審査では審査基準は厳密に言えば違いはありますが、同じスコアリングシステムを採用している点からもそれほど大きな違いはありません。
むしろキャッシング機能だけのカードローンのほうが、ショッピング専用のクレジットカードよりも審査基準は高いくらいです。
また、アコムはクレジットカードも発行していますが、アコムのクレジットカード「アコムACマスターカード」を発行できるのは、カードローンの審査を通過した人だけです。
つまりアコムのクレジットカードを持っている人を含めて1/4のアコム利用者の年収は200万円以下ということになります。
年収の金額はより高いグレードのクレジットカードを作る場合に影響すると覚えておきましょう。
住まい(戸建て、賃貸)と居住年数と審査の関係
みなさんは居住形態(持ち家、賃貸など)や居住年数がクレジットカード審査にどんな関係があるのだろうという疑問を持ったことはありませんか?
確かに居住関係の情報は、直接返済能力には関係がないように思えますが、クレジットカード審査では生活の安定性も重要なポイントになります。
というのも、クレジットカード会社はカード請求が未払いになることも想定して審査をしているからです。
未払いが発生すると自宅に督促状の送付や直接電話をすることがありますが、これは勤務先への督促行為が法律で禁じられているからです。
つまり居住が安定していないと、未払いの場合に連絡が取れなくなる可能性があるのです。
そのため持ち家のほうが賃貸物件に住んでいる場合よりも安定性が高いと判断され、審査を通過する可能性が高くなります。
また、居住年数も長いと生活は安定しているという判断ができるのです。
ただし、必ずしも持ち家でなくても、持ち家と同じように評価が高い居住形態もあります。

たとえば官舎は一種の賃貸物件なんじゃが、居住できるのは公務員に限られる上に賃料は一般的な賃貸物件よりも安くなっているんじゃ

官舎に住んでいることは公務員であることを裏付けになる、ってことは、一般のアパートよりも生活の安定性の証明になるってことっすね!

反対に同じ賃料が安い賃貸物件として公営住宅があるんじゃが、この場合はむしろ生活が不安定という判断をされるんじゃ!公営住宅の入居条件には年収制限があっての、年収が高ければ入居ができんのじゃ
上記の点からわかるクレジットカードを作りやすい人とは?
これまでいろいろな視点からクレジットカード審査について説明しましたが、総合的に判断してクレジットカードが作りやすいのは以下の条件を満たす人ということになります。
- 年収は200万円以上
- 一般企業の正社員
- 勤務年数1年以上
- 居住年数1年以上の賃貸物件居住
- 持ち家や家族所有の持ち家に居住
上記の条件を満たしていれば、少なくても一般カードであればほとんどの場合審査を通過しますが、もちろん他社利用で事故があったり、残高が多すぎたりといったことがないというのが前提となります。
また、上記の条件を完全に満たさなくても、弱い部分をカバーできるだけの情報があれば審査の通過は難しくありません。
また、クレジットカードには個別に審査難易度があり、自分の属性にあっているカードを選ぶのも審査通過の重要なポイントです。
クレジットカードの審査難易度
クレジットカードの審査を通過するためには申し込みするカードの審査難易度を理解した上で、自分にあっているクレジットカードを選択することが重要です。
それでは審査難易度とは何か?から、審査難易度の推測方法までを解説します。
難易度とは何?
たとえば、同じ人が2枚のクレジットカードに申し込んだとして、Aのカードは審査を通過してBのカードは審査を落ちた場合、BはAよりも審査難易度が高いと推測することができます。
審査難易度が高いというのは審査基準が高いと言い換えることができますが、 審査難易度の高さはクレジットカードによって違いがあるので、自分の収入や属性に見合ったカードを選ぶと審査を通過しやすくなります。
審査難易度の違いは発行するクレジットカード会社、あるいはカードのグレードによって違います。
一般的にステータスが高いクレジットカードほど審査難易度は高くなります。
これは反対に考えたほうがわかりやすいですが、審査難易度が高いカードはだれでも作れるわけではないので、ステータスが高くなるということです。
つまり選ばれた人しか持つことができないという希少価値があるためステータスが高くなるのです。
一般カードよりはグレードの高いゴールドカードやプラチナカード、プレミアムカードと呼ばれるクレジットカードのほうがステータスは高くなります。
また、同じゴールドカードでも発行するクレジットカード会社によってステータスに違いがあるので審査難易度も違ってきます。
また、日本のクレジットカード会社よりアメリカン・エキスプレスやダイナースクラブのカードは歴史も古く、世界的にもステータスが高いという評価を得ています。
それでは次に審査難易度を推測する方法について解説します。
申し込み可能な年齢、年会費、利用限度額の上限で推測できる
クレジットカードの申し込みをする前にある程度審査難易度がわかると、審査を通過する可能性を高めることができます。
審査難易度は審査基準に関わることなので、クレジットカード会社では公開していませんが、公式ページの情報で審査難易度を推測することが可能です。
主に以下の点に注意すれば審査難易度を推測できます。
- 申し込み条件の年齢
- カード年会費
- カード利用限度額
申し込み条件の年齢から推測
クレジットカードの申し込み条件には年齢が記載されていることがありますが、一般カードでは18歳以上(高校生を除く)となっているのがふつうです。
これはクレジットカードを作る場合の最低条件の年齢で、18歳未満ではたとえ仕事をしていてもクレジットカードを作ることはできません。
グレードの高いゴールドカード以上のクレジットカードでは、年齢制限が少なくても20歳以上、よりステータスが高いカードは30歳以上というケースもあります。
つまり入会条件の年齢制限が低いほど審査難易度も低くなるので覚えておきましょう。
年会費から推測
カード年会費は無料のカードもありますが、一般カードの年会費は標準で税抜1,250円です。
これに対してゴールドカード以上になると税抜1万円や3万円、5万円といった年会費が標準となります。
そのため年会費は高いほどステータスが高く結果的に審査難易度も高くなります。
カード利用限度額
審査難易度を推測する最後の方法はカード利用限度額ですが、一般的にカード利用限度額には幅が設定されています。
たとえば一般カードは「10万円~100万円」、ゴールドカードは「50万円~300万円」という表示となっています。
カード利用限度額は金額が少ないほど審査難易度は低くなるので、申し込み前には最低利用限度額に注目しましょう。

中には一律の限度額を設定せずに申し込み者の返済能力に合わせて利用限度額を決める、アメリカン・エキスプレスのようなクレジットカードもあるんじゃ。

(さ、さすが…アメックス)
この場合はどーゆーふうに考えたらいいんっすか?

利用限度額では審査難易度を判断できないと考えるんじゃ!
上記の点からわかる審査の難しいカード、易しいカードとは?
ここでどんなクレジットカードの審査が難しい、または審査を通りやすいのかをまとめるので、申し込みする場合の参考にしてくださいね。
審査が難しいクレジットカードの特徴
- 年会費が高額
- カード利用限度額が最低でも50万円以上
- 年齢制限が高い(25歳や30歳以上)
- クレジットカード会社のステータスが高い(銀行系、アメックス、ダイナースなど)
審査が通りやすいカードの特徴
- 年会費無料または税抜1,250円
- カード利用限度額の最低が10万円
- 年齢制限が18歳以上
- 流通系や信販系、消費者金融系、その他の系列のクレジットカード
一般的に上記の特徴がありますが、審査難易度の高い、低いは相対的なものです。
つまり比較するカードによって同じクレジットカードでも審査難易度が高くなったり、低くなったりします。
たとえば、AとBのゴールドカードを比較した場合に審査難易度が低いと判断されたカードBでも、一般カードと比較すれば審査難易度は高くなります。
審査難易度を比較する場合は同じグレードのカードと比較することが重要で、グレードの違うカードの審査難易度を比較してもあまり意味はありません。
クレジットカード審査を受けているとき
クレジットカードの申し込みをしてから、クレジットカード審査ではどのようなことが行われているのでしょうか?
特にはじめてクレジットカードを申し込む人にとっては、気になる点ではないでしょうか?
在籍確認はされる?
クレジットカードを申し込みすると会社勤めの申し込み者であれば、勤務先に在籍確認が行われますが、初めて申し込む人はこの在籍確認が気になるかもしれません。
しかし在籍確認が実際にどのように行われるのかを、事前に理解しおくとそれほど気にならなくなります。
在籍確認の方法としては直接勤務先に電話をして、申し込み者本人を呼び出す方法が一般的です。
そのため会社の上司や同僚にクレジットカードを申し込みしたことを知られてしまうという不安を持つ人も多いでしょう。
しかし、クレジットカードは、上司や同僚のほとんどがすでに持っているものだと考えると、申し込みをしたことを隠す必要はまったくありません。
また、クレジットカード会社は在籍確認をするときに会社名を名乗らず、本人が電話口に出たことを確認してから社名を名乗ります。
そのため電話に出る前にクレジットカード会社からの電話であることはだれにもわかりません。
本人が電話口に出られない場合でも在籍確認の目的は果たせるので、もう一度電話がかかってくることもありません。
クレジットカード会社から在籍確認の電話があったことに気づかないケースも多いのです。
在籍確認の電話は基本的に申し込み者がサラリーマンの場合に行われるので、自営業者などの場合はふつうに店舗・事務所に電話をすることになります。
自宅兼店舗や農家など場合は仕事をしているかどうかの確認は電話ではできないので、電話以外の方法で仕事をしているかを調べます。
店舗を持たない自営業者の場合は仕事をしているかどうかの確認ができないことも多いので、クレヒスで実績を作ってから申し込むと審査通過率が高くなります。
期間はどれくらい?
クレジットカードに申し込みするときには、申し込みからどれくらいの期間でクレジットカードが手元に届くのかということも気になりますよね。
一般的なクレジットカードの場合は1週間~10日程度と考えておくと間違いないでしょう。
しかし最近ではクレジットカードの発行期間も短縮傾向にあるので、即日発行や2~3日以内に発行するカードも増えてきました。
ここで間違えてはいけないのは「発行」という言葉の意味です。
「クレジットカードを発行する」とはクレジットカードが手元に届くという意味ではなく、ほとんどの場合は「クレジットカードを発送」すると同じ意味で使われています。
そのため3営業日後にカード発行という場合は、3営業日+郵送期間が手元に届く期間になります。
主なクレジットカードの申し込みから手元に届くまでの期間を、以下に記載するので申し込みの際に参考にしてくださいね。
即日受取可能なクレジットカード(受取場所)
- エポスカード(マルイの店頭)
- セゾンカード(クレジットカウンター)
- アコムACマスターカード(店頭または自動契約機)
- エムアイカード(三越伊勢丹の店頭)
仮カード発行
一部のイオンカードはイオングループだけで使える仮カードを即日発行、後日本カードを発行することができる。
カード会員だけの割引を当日に受けることができるメリットがある。
最短翌日カードが届く
- JCBカード
最短翌日カード発送
- MUFGカード
- VIASOカード
最短3営業日カード発送
- セブンカード・プラス
- 三井住友カード
- 銀聯カード
- ペルソナSTACIA アメリカン・エキスプレス・カード
- JCB EIT
- ライフカード
最短4営業日カード発送
- セディナカード
- OMCカード(セディナ)
平均1週間~10日でカード発送
- イオンカード
- ANA カード
- 楽天カード
- Amazon MasterCard
- EPOSカード(佐川急便受取人確認配達)
- NTTグループカードゴールド
- ビックカメラSuicaカード
- 小田急ポイントカード
- UCSカード
- オリコカード
- Yahoo! JAPANカード
- ローソンPONTA
上記のカードはほんの一部なので、自分が作りたいカードの発行期間は事前に調べておきましょう。
審査をする側は何をしているのか、どこを見ているのか?
申し込みをしてからカードが発行されるまでの間は、クレジットカードの入会審査が行われていますが、具体的にはどのようなことをしているのでしょうか?
筆者の審査担当経験者としてクレジットカード会社の立場から、審査ではどのような調査をしてどういった視点から審査をしているのかをご紹介します。
そもそも返済能力があるのか?
審査の基本ポイントは返済能力ですが、返済能力を判断するためにどのような視点で申し込み内容を見るのかが重要です。
一般的に返済能力を判断するといった場合、年収が重要な気がしますが審査担当者は年収の金額はほとんど気にしません。
なぜかというとクレジットカードを発行するのに、それほど高い年収は必要ないからですがこれは一般カードの場合で、ゴールドカード以上の場合は年収をある程度参考にします。
年収より安定性
一般カードに限っては年収の高さよりも収入の安定性のほうが重要なポイントです。
それでは収入が安定しているかどうかはどこで判断するのかは、実際に利用した実績で判断するのが最も確かと言えます。
自社の過去の利用実績や個人信用情報機関に記録されている他社利用の実績は、他の審査項目よりもより正確に申し込み者の返済能力をあらわしています。
そもそも年収や勤続年数は申し込み者の自己申告による記入ですが、個人信用情報機関の記録は事実に基づくものです。
そのためクレヒスによって返済能力を判断するのは、確かな裏付けがあることなので審査のポイントとしては重要です。
反対に考えると良好なクレヒスを作ることで審査通過率をかなり高めることができます。
最近の調査事情
調査という点から考えると現在のクレジットカード審査では、以前行われていた調査のほとんどは不要となっています。
調査をする目的としては、実際に申し込み者が存在しているのか、なりすましによる申し込みではないかという疑念をなくすために行われます。
場合によっては住宅地図に自宅が載っているか、住民票は登録されているかということまで調査していましたが、本人確認書類の提出が義務付けられた今ではそれらの調査をする必要がなくなりました。
申し込みをする人にとっては書類の提出はめんどうなことですが、審査をするクレジットカード会社にとっては調査にかかっていた時間や事件費がなくなったので、大きなメリットとなっています。
これは利用者にとっても審査時間が大幅に短縮されるメリットにもつながっています。
審査は新規入会以外でも行われる
クレジットカードの審査というと新規申し込みのときだけに行われると思っている人も多いかもしれません。
しかし実際にはクレジットカードが発行された後も審査をするケースがいくつかあります。

審査ってクレジットカード作ったら、もういらないじゃないんすか?なんでまた審査するんすか?ちょっと意味わかんないっす。信用してほしいっす!

審査に妙に敏感じゃのう…発行後の審査の事を、悪いものと思わんでくれ。とても大事なことなんじゃー
次にカード発行後の審査について解説します。
クレジットカードの使用中にもされている(途上与信)
クレジットカードが発行されてから不定期または定期的に審査をすることを途上与信と呼んでいます。
クレジットカード会社によってその頻度や回数は違いますが、途上与信を行うことでカード会員が正常な利用をしているかどうかを確かめる目的があります。
楽天カードはこの途上与信を頻繁に実施していることで有名楽天カードはこの途上与信を頻繁に実施していることで有名で、ある日突然カード会員専用サイトにアクセスできなくなり、楽天カードの利用が停止になることがあります。これは途上与信の結果、楽天カードが強制解約となったためです。
楽天カード以外のクレジットカード会社ではそれほど途上与信の頻度は高くありませんが、少なくても途上与信を実施する機会が2つあります。そのひとつは増枠の申請があったときです。
クレジットカードのアップグレードでもされる
クレジットカードは発行されたときにカード利用枠が設定されていますが、その利用枠は変更することができます。これをアップグレード、または増枠の申請と呼んでいます。
アップグレードはカードが発行されてからすぐに申請することはできませんが、6ヶ月~1年くらいカードの利用実績を積むと申請が可能になります。
もちろんその間に延滞や未払いがあれば申請が却下されるので、きちんと支払いを続けることが大切だというのは言うまでもありませんね。
クレジットカードは信用に基づいて運用されているシステムなので、カード会員が信用を積み重ねるには延滞なく支払いを続けることが最も重要です。
信用を積み重ねるメリットのひとつとして、カードの利用枠をアップできるのです。
アップグレードの審査は新規申し込みの審査よりも簡単で、そのカードの利用状況と個人信用情報機関による他社利用をチェックするのが主な審査内容です。
そのため在籍確認等、新規申し込みでは必須の確認も途上与信では行われていません。
アップグレードの方法
アップグレードの申請はカード会員専用サイトで希望する利用枠を決めて申し込みします。
たとえば10万円のカード利用枠であれば、30万円や50万円への増枠を申請することができますが、10万円から100万円といった極端な増枠申請は却下される可能性が高くなります。
しかし、最大限の増枠をしたいのであれば、なるべく大きな利用枠で申請しておくと、審査結果によって適正な利用枠が設定されます。
クレジットカードの更新時の審査
アップグレードでの途上与信は増枠の申請をしなければ実施されませんが、必ず途上与信が行われるケースがあります。それがカード更新時の途上与信です。
クレジットカードには有効期限が表示されていますが、その期限前には必ず途上与信が行われています。
つまり途上与信の結果によってはクレジットカードが更新されないこともあるのです。
クレジットカードの有効期限は一般的には5年となっているので、少なくても5年に1回は必ず途上与信が行われることになります。
この審査の内容は増枠申請のときと同じで、カードやカード会員の利用状況のチェックが中心となります。
クレジットカードの有効期限はなぜあるのか?
クレジットカードに有効期限があるのは、磁気テープやプラスティック素材の劣化があるためですが、それ以外にも途上与信を実施して利用状況をチェックする意味もあります。
たとえば、他社で利用しているカードが延滞などの理由で強制解約になると、その情報は個人信用情報機関に反映します。
しかし、個人信用情報機関の情報は加盟会員であっても、いつでも参照できるわけではありません。
個人信用情報機関の情報を参照するのは、途上与信を含めた審査時しかできないのです。
そのためCICでは審査と関係ない部署で個人信用情報機関の情報を参照していないかどうかを定期的にチェック(モニタリング)しています。
途上与信がなければ他社の延滞もわからないので、少なくてもカード更新時までに1回は他社の利用状況をチェックするのは、クレジットカード会社にとっては必要不可欠なことです。

クレジットカード会社と、使用者どちらにも必要なことだったんすね!納得したっす!

そうなんじゃ!みんなが安心して使えるように必要な事なんじゃー。納得してくれて嬉しいわい
まとめ
クレジットカードの審査は、はじめて申し込みをする場合には最も不安な要素のひとつです。
しかし、クレジットカード審査はそれほど特別なことを調べられるわけではなく、ふつうに勤めていて収入を得ていれば、ほとんどの人が審査を通過する仕組みです。
クレジットカード会社も審査でなるべく多くの申し込みを却下したいわけではなく、むしろ多くの人をカード会員にしたいのが本音です。
審査で却下される大きな理由を理解しておけば、クレジットカード審査は怖くありません。
万が一審査を落ちたとしてもその原因がわかって改善すれば、次の申し込みでは審査を通過する可能性が高くなります。
そのためにもクレジットカード審査に関する基礎知識を十分に身に付けてからクレジットカード申し込みをしましょう。