JALカード会員要チェック!大幅変更になる国際線特典航空券

2018年7月、JAL(日本航空)よりJAL国際線特典航空券のルールを変更することについて発表されました。
これまでよりも国際線特典航空券を使いやすくということを全面的にアピールして、2018年12月よりはじまる、この新ルール。
マイラー的にはメリットが多いのでしょうか。デメリットが多いのでしょうか。ここで検証します。
ルール変更に伴い大きく変更になった点は何
名称から変更に
2018年12月よりはじまる新しいJALの国際線特典航空券は、航空券の名称も「JAL国際線特典航空券PLUS」になります。
そして、新しい航空券になることで変更になるのは以下の点です。
- 航空券のキャンセル待ちがなくなる。(ファーストクラスを除く)
- 必要マイル数が路線、クラスごとに再設定。
- 必要マイル数より多く支払うことによって、特典航空券の座席確保が可能。
- 予約変更が不可。
- 有効期限は予約便に限り有効。
- 国際線の区間が往路、復路でそれぞれ1回まで(海外発、日本経由の海外旅程が不可能に)
- ファーストクラスとその他のクラスを組み合わせる予約は不可。
以上のような7点が大きな変更点になります。
一番の目玉はキャンセル待ちがなくなる
今回のルール変更で一番の目玉が特典航空券のキャンセル待ちが廃止されたということです。それに伴い、これまでのマイル数よりも多く支払うことによって、座席を確保することができるようになりました。
特典航空券の座席数には限りがあり、従来、キャンセル待ちをしてもなかなか座席を確保することができず、旅行をあきらめることが多くありました。今回のルール変更に伴いこうしたことはなくなります。
JAL国際線特典航空券の座席確保に必要なのは何マイル
キャンセル待ちが廃止されたことによってJAL国際線特典航空券を取得するときの必要マイル数が変動することになりました。
これまではゾーンごとに一律に分けられていましたが、「JAL国際線特典航空券PLUS」では残席によって必要マイル数が変動すると予想されています。
公式に発表されている情報だと、これまで日本から韓国まで特典航空券、エコノミークラスを利用すると7,500マイル(片道)でしたが、JAL国際線特典航空券PLUSでは、片道7,500マイルから最大34,000マイルと発表されています。
繁忙期など、多くのお客さんが利用するときには最大マイル数に近いマイルが必要になると見込まれます。
各行先ごとの必要マイル数を表にすると以下のようになります。(エコノミークラス・片道)
目的地域 | 基本マイル数 | JAL国際線特典航空券PLUS(最大マイル数) |
---|---|---|
韓国 | 7,500 | 34,000 |
アジア1 (中国など) |
8,500 | 78,000 |
アジア2 (東南アジア) |
12,000 | 9,3000 |
グアム | 10,000 | 59,000 |
オセアニア | 18,000 | 74,000 |
ロシア | 17,500 | 128,000 |
ヨーロッパ | 23,000 | 141,000 |
ハワイ | 20,000 | 114,000 |
北米 | 25,000 | 135,000 |
エコノミークラスは、必要マイル数にかなりのばらつきがあります。
これまでの必要マイル数よりも最大で7倍以上になっているところもあり、ファーストクラスの特典航空券を発券するよりもマイルが必要なところもあります。
航空券を発券するときには、普通の航空券を購入したときとマイル単価で比べて、どちらを使うのが得になるのか事前に比較検討することが大切になりそうです。
上級クラスにおいても特典航空券発券に必要なマイル数が増加
JAL国際線特典航空券PLUSはプレミアムエコノミークラス、ビジネスクラスにおいても設定をされています。
JAL国際線特典航空券PLUS(プレミアムエコノミークラス・片道)
目的地域 | 基本マイル数 | JAL国際線特典航空券PLUS(最大マイル数) |
---|---|---|
韓国 | 設定なし | 設定なし |
アジア1(中国など) | 15,000 | 79,000 |
アジア2(東南アジア) | 25,000 | 94,000 |
グアム | 設定なし | 設定なし |
オセアニア | 25,000 | 84,000 |
ロシア | 25,000 | 137,000 |
ヨーロッパ | 35,000 | 152,000 |
ハワイ | 30,000 | 123,000 |
北米 | 32,500 | 144,000 |
JAL国際線特典航空券PLUS(ビジネスクラス・片道)
目的地域 | 基本マイル数 | JAL国際線特典航空券PLUS(最大マイル数) |
---|---|---|
韓国 | 18,000 | 48,000 |
アジア1(中国など) | 24,000 | 99,000 |
アジア2(東南アジア) | 40,000 | 246,000 |
グアム | 22,500 | 90,000 |
オセアニア | 40,000 | 181,000 |
ロシア | 40,000 | 261,000 |
ヨーロッパ | 55,000 | 391,000 |
ハワイ | 40,000 | 224,000 |
北米 | 50,000 | 394,000 |
以上のように上級クラスも変更になりました。
エコノミークラスと同じように最大で8倍以上の差が生じることになり、かなりのマイルを保有していないと特典航空券が発券できないことになります。
ルール変更はマイラーにとって改善なのか?改悪なのか?
人によって受け取り方の変わるルール変更
今回のJAL国際線特典航空券のルール変更は、人によって大きく受け取り方が変わると思います。
まず、一番の恩恵を受けるタイプの人は、日程重視で旅行をしている人です。
休みを取ることができるのが休日や大型連休しかないといった人は、これまで特典航空券を取得したいと考えても絶望的でした。JALの上級会員であってもなかなかキャンセル待ちが落ちてくることはなく、旅行の予定を組むことができませんでした。しかし、今回のルール変更によって、キャンセル待ちがなくなったので旅行日程をすぐに決めることができます。
逆に恩恵を感じなくなるのは、休みを比較的フレキシブルに取ることができる人は、マイル数が少しでも上がってしまうと損になります。
確実に席を確保することはできますが、できるだけ少ないマイル数の日程を探さなくてはいけません。ただ、確実に損になるかというと、シンガポール路線やホーチミン路線は従来よりも必要マイル数が少なくなっているので、ルール変更によってよりお得に旅行に行くことができるかもしれません。
マイラー的に痛い予約変更不可と国際線区間の1回
今回のルール変更に伴って、ちょっとこれまで裏技を利用して、旅行してきたマイラーにとって痛いのが「有効期限は予約便に限り」と「国際線の区間が往路、復路でそれぞれ1回まで」というルール変更です。
このルール変更はマイラー的に言うと「改悪」です。
理由は、海外発、日本でストップオーバーをして別の国に行くという航空券の手配ができなくなります。海外に在住している人が日本経由でどこかに行きたくてもJALを利用できません。
いつからこのルールが適用になるのか?
今回のルール変更が適用されるのは平成30年12月1日からです。12月1日から予約する航空券には新しいルールが適用されます。
JALのプレスリリースによるとこの日までに予約をした航空券は、出発をする日が12月1日以降であっても新ルール開始前が適用されます。今のルールで予約変更が可能な国際線特典航空券を発券したい場合には11月30日がタイムリミットになりそうです。
変更にともない気をつけないといけない点
エコノミークラスがお得とは限らないかも
今回のルール変更に伴って、チケットの取り方や気を付けないといけない点がいくつか出てくると予想されます。
現段階で想像できるものの1つとしてエコノミークラスが一番お得になるとは限らないということです。
必要マイル数が残席変動制になるならば、残席が少なくなると必要マイル数が増えていきます。エコノミークラスの残席が少なくなり、ビジネスクラスがまだ余っているときには、エコノミークラスの必要マイル数がビジネスクラスを上回るケースが出てくるかもしれません。
プレミアムエコノミークラスのある路線では、このクラスの必要マイル数も確認する必要が出てきます。
旅行可能な日程が増えれば増えるほど膨大なケースを調べなければいけなくなるので、今まで以上に情報収集に時間がかかります。
JAL提携航空会社特典航空券とワンワールド特典航空券は変更なし
JALマイレージバンクのマイルは、自社が運航している路線だけでなく提携している航空会社とワンワールドの特典航空券にも変えることができます。
こちらの必要マイル数はこれまでとルールの変更がありません。
路線によっては提携航空会社やワンワールド特典と交換をした方が少ないマイル数になるケースもあるので、航空券を発券するときにはこちらの空き状況も確認しなければいけません。
マイル数によっては有償やeJALポイントを利用する方法も
マイル数が変動性になったことで、少ないマイル数で航空券を確保できないと非常にたくさんのマイル数を支払わないといけません。
例えば、東南アジア路線ビジネスクラスで必要マイル数は最大246,000マイル、往復すると50万マイルを超えてしまいます。これを全てeJALポイントにしていれば75万円以上のポイントになります。
これだけ支払えば、有償でビジネスクラスの航空券を十分に購入できます。実際には東南アジア行きのビジネスクラスは30万円前後が相場であり、この価格から考えると往復で20万マイル以上必要になるのであれば有償航空券を購入した方がお得になってしまいます。
特典航空券にすることに本当に意味があるのかを実際に有償航空券と必要マイル数を比べながら比較することが大切になってきます。
まとめ
大幅なルール変更が予定されているJALの国際線特典航空券についてまとめます。
- 2018年12月1月よりJALの国際線特典航空券の名前が「JAL国際線特典航空券PLUS」にになる。
- キャンセル待ちがなくなり、残席数に応じた必要マイル数の変動制航空券になると見込まれています。
- 必要マイル数は距離によって大幅な開きがあり、全てのクラスにおいて一番少ない必要マイル数と一番多いマイル数には7倍以上の差が生まれている。
- キャンセル待ちがなくなったことにより、旅行日程を優先して航空券を手配したい人にとっては、確実に航空便を抑えることができるようになるので、旅行の予定を組みやすくなる。
- 路線によっては必要マイル数がこれまでよりも少なくなっているところがあり、お得に特典航空券の発行が可能になる。
- 予約変更が不可能になったので、旅行をキャンセルするときには手数料が発生する。
- 残席変動になったことでエコノミークラスよりも上級クラスの方が必要マイル数が少なくなるケースも生じてくる。
- JALの提携航空会社やワンワールドの特典航空券のルールには変更がない。
- 必要マイル数によっては、マイルを消費して特典航空券を発券するよりもeJALポイントにしてから有償で航空券を購入した方が少ないマイル数で済むケースも出てくる。