法人カード使用者に退職者が出た場合の対処方法

法人カードでは追加カードとして発行した社員名義のカードだけでなく、メインカードの名義人の代表者が変更になる可能性があります。
そのため一般的な個人カードに比べて、カードの名義人が変更になる可能性が高いと言えます。
今回は法人カードの名義人の退職や転勤、代表者の変更に関する手続きについて解説しましょう。
社員が退職した場合の処理
クレジットカードには、カード名義人以外は使用できないというルールがあります。
カード本体はカード名義人の所有物ではなくカード会社からの貸与となっているので、第三者に勝手に使わせることはできません。
仮に第三者が利用したとしてもその請求はカード名義人に対して行われ、カード名義人は拒否することもできないのです。
このルールは本カードだけでなく、追加カードとして発行した社員カードにも適用されます。
退職した社員がそのまま追加カードを持っていて利用した場合でも、追加カードの請求は基本的に法人カードの名義人に対して行われるのでトラブルになります。
社員カードの名義人が退職した場合は必ず社員カードを回収しましょう。
その上で社員カードは解約して、同じ業務を引き継ぐ社員に対して追加カードを発行しましょう。
代表者が変更となった場合
代表者が変更となった場合は社員が退職した場合と比べて、手続きは面倒になります。
代表者は法人カードのメインの名義人となっているので、法人カードを紛失した場合と同じ処理になります。
個人カードの場合は改姓による名義の変更は、会員専用サイトで手続きができますが、法人の名義変更はネットではできないので書類のやり取りが必要となります。
具体的には現在の法人カードを回収して、新しい名義人のカードを再発行することになります。
法人カードのカード番号はまったく別の番号となるので、追加カードも再発行となります。
紛失処理をした場合と同様に、公共料金等の支払いに法人カードを登録していた場合は、新しい法人カードの番号に変更する必要もあります。
再発行までは時間がかかるので、それまでの間公共料金等は別の決済方法に切り替えて、新しいカードが手元に届いてから再登録しましょう。
代表者変更は法人カード切り替えのチャンス
代表者が変更になると変更手続きや、それに付随する処理の手間が大きいというデメリットがあります。
そのため代表者の交代をきっかけにより、グレードの高い法人カードに切り替えるというのもひとつの方法です。
すでにグレードの高い法人カードを利用していれば別ですが、グレードの高い法人カードは取引先への印象も良くなります。
法人カードにはゴールドカードよりもグレードの高いプラチナカードもあります。
年会費は高くなりますが、経費として計上できるので年間の負担額はそれほど大きくなりません。
代表者変更をきっかけに法人カードも新しくしてみましょう。
名義変更をしなかったときのリスク
退職者が出た場合は名義変更をしなければ不正利用されるリスクがあるという説明をしました。
しかし不正利用以外のもうひとつのリスクがあります。
名義変更をしないでそのまま後任者が追加カードを利用すると、クレジットカード会員の規約違反となって法人カードが強制解約されるというリスクです。
万が一強制解約になると個人信用情報機関に記録される可能性があるので、他社の法人カードも新規申し込みできないことになります。
追加カードの名義変更をしなかったことで強制解約になるケースはほとんどありませんが、2つのリスクを抱えたまま使用することは避けたほうがいいでしょう。
クレジットカードは名義人だけが使用するという基本ルールを守って正しく使いましょう。
基本ルールを守らずに使用してペナルティや不正利用というリスクを負うのはカード名義人です。
また、名義人だけでなく住所や口座番号などに変更があった場合も、すぐに変更手続きをしましょう。
口座は返済に大きく影響するので法人カードの口座変更を忘れると未払いになるリスクがあります。
さらに連絡先も変更になっていてカード会社が連絡できなくなると、法人カードが強制解約になる可能性も高くなります。
住所や電話番号、口座が変更になると様々な変更手続きが発生するので、法人カードの変更は忘れがちになります。
そのため法人カードの担当者を明確にして余計なトラブルが発生しないようにしておきましょう。
まとめ
社員が退職するというケースは会社を運営していなくても、人を雇っている個人事業主でもよくあることです。
社員がひとり退職するといろいろな手続きが発生するので、クレジットカードの手続きは後回しになることが多くなります。
代表者変更や社員の退職が原因で法人カードが使えなくなることを避けるためにも、法人カードに関する手続きを忘れないようにしましょう。
法人カードは管理さえしっかりしていれば、事業者にとってメリットの大きいツールとなります。