住宅ローンのペアローンとは?特徴やメリット・デメリットを紹介

最終更新日:

これから住宅ローンの借入を検討している方の中には、自分の年収で希望の融資額を借りられるかどうかが不安という方もいるのではないでしょうか。

一生に一度となることも多い住宅の購入は、できるだけ自分の希望にあったものを選びたいものですが、予算との兼ね合いもあり、希望を通すのが難しいということもあります。

しかし夫婦共働きの場合には、住宅ローンのペアローンを利用して購入する住宅の選択肢の幅を広げることも可能です。

今回は住宅ローンのペアローンとはなんなのか、またその特徴やメリット・デメリットなどについて詳しく説明していきます。

住宅ローンのペアローンとは?

住宅ローンのペアローンとは、夫婦それぞれが1つの住宅ローンを借りるというものです。
夫婦それぞれが契約者(債務者)となり、それぞれがお互いの連帯保証人になることもあります。

住宅ローンの返済では、夫婦それぞれに月々の返済が発生し、返済スタートの時期は同時となるのです。

住宅の持ち主は1人ではなく、夫婦それぞれが持ち主ということになります。

ペアローンは共働きで夫婦双方に安定した収入があることが借入の条件

夫婦でそれぞれに住宅ローンの契約をするのならば、少々高い住宅でも購入できる可能性が高くなりますが、全ての夫婦がペアローンを利用できる訳ではありません。

住宅ローンのペアローンを利用するための条件は、住宅ローンを取り扱う金融機関によっても異なりますが、夫婦双方に安定した収入があることが大前提となります。

たとえば夫が正社員として働いており安定した収入があったとしても、妻がアルバイトやパートの場合には、ペアローンを利用することは難しいでしょう。

住宅ローンの返済は10年以上の長期に渡ることも多いため、夫婦共に正社員であるなどのある程度の安定した収入が保証されている証明が必要になるのです。

1人で住宅ローンを組む場合と手続きなどに違いがある?

住宅ローンを単一名義で組む場合とペアローンで組む場合の大きな違いは、1つの住宅ローンを1人で契約するか2人で契約するかの違いです。

1つの住宅ローンで3000万円を借入した場合、単一名義で借りると名義人1人が3000万円の借金をすることになります。
しかしペアローンを利用して夫50%妻50%の負担であれば、それぞれの借金は1500万円ずつということになるのです。

ただしペアローンの場合には必要書類などが2人分必要になったり、2人それぞれが住宅ローンの審査を受ける必要があるので、単一名義よりも手間がかかると言えるでしょう。

住宅ローンのペアローンのメリット・デメリットは?

住宅ローンのペアローンとはどのようなものなのかがわかったところで、ペアローンの特徴をメリット・デメリット別にみていきましょう。

ペアローンを利用するメリット

ペアローンを利用するメリットには、以下のようなものがあげられます。

  • 単一名義よりも高額な借入金額が期待できる
  • お互いに住宅ローン控除が利用できる
  • 金利など細かいプランを夫婦で分けることができる

ペアローンの最大のメリットとなるのが、単一名義よりも高額な借入金額が期待できるということです。
住宅ローンの審査では、さまざまな申込者の属性から借入可能額が決定されますが、年収は返済負担率は融資額を決める大きなポイントです。

単一名義で借入を行う場合には、収入も1人分であり返済負担率の割合も高くなりがちです。
しかし、ペアローンを利用することによって2人分の年収や返済負担率で融資額を決定されることになりますので、必然的に融資額は単一名義より高額になることが期待できます。

また条件を満たしていれば最大10年の住宅ローン控除を夫婦それぞれが受けられますので、節税にも繋がるでしょう。

さらに1つの住宅ローン商品に対してそれぞれが契約を行うので、細かいプランを夫婦それぞれが決めることもできます。

たとえば夫は固定金利型を選び、妻は変動金利型を選ぶなど、リスクを回避するための工夫も単一名義よりも選択肢の幅が広がると言えるでしょう。

ペアローンを利用するデメリット

ペアローンの利用には豊富なメリットがありますが、反面デメリットもあるのです。
ペアローンの利用で考えられるデメリットには、以下のようなものがあげられます。

  • 諸経費が増える
  • ライフスタイルの変化で返済負担が増える可能性がある

ペアローンを利用するデメリットとしてあげられるのが、単一名義の場合よりも諸経費が増えてしまうという点です。

同じ世帯で1つの住宅購入のための費用であっても住宅ローンの契約は2つ存在することになるため、抵当権設定登記の費用や司法書士報酬などの初期費用も2倍かかることになります。

またペアローンを組んだ当初は共働きであっても、子供が生まれた、病気になったなど何かしらのライフプランの変化でどちらかが仕事を続けるのが困難になってしまうこともあるでしょう。
そのような場合でも、返済は完済するまで続いていきますので、最低でもペアローンを組んだ時の経済状況が維持できなければ、返済負担が重くのしかかることになります。

関連コラム