住宅ローンの10年固定型金利とは?お得に利用できる人の特徴も解説
住宅ローンの金利タイプには、「固定金利」「変動金利」とその両方の特性を併せ持った「固定期間選択型」という3つのタイプがあります。
この3つのタイプの中の固定期間金利型に属するのが10年固定型金利ですが、他の金利タイプと比べて以下のような大きな特徴があります。
- 最初の10年が固定金利タイプとなり、それ以降は原則変動金利タイプに変化する
- 固定金利が適用されている期間中は金利の優遇が受けられる場合が多い
- 変動金利に切り替わったとしても、変動金利のルールを全て引き継ぐわけではない
今回は、10年固定金利の具体的な特徴や、どんな人におすすめなのかを詳しく説明していきます。
10年固定型金利とは
住宅ローンの金利タイプには上でも説明した通り以下の3種類があり、10年固定型はこの3つのうちの固定期間選択型に含まれます。
10年固定型金利とは、簡単にいってしまえば借り入れから10年は固定型金利が適用され、それ以降は原則として変動金利が適用になるという金利です。
10年の固定期間が終了すると、そのタイミングで金利の見直しが行われ変動型に切り替わります。
また、10年の固定期間終了後にさらに固定金利で返済を行うことも可能ですが、見直しが行われたタイミングの利率が適用になるため、借り入れ当初とは金利が変わる可能性もあるのです。
住宅ローンによって固定期間は選択できる
ここでは10年固定金利をメインに紹介していきますが、固定期間選択型の金利タイプは、固定期間が10年に限定されているわけではありません。
住宅ローンによって5年、10年、15年など、金利が固定される期間を選択できることが多くなっています。
10年間は金利変動がなく優遇金利が設定されていることも多い
10年固定型金利のメリットとしてあげられるのが、借り入れから10年は金利の変動がなく、返済計画を立てやすいという点です。
そのため、借り入れから10年程度は子供の学校入学などで集中的に支出が増えるという方であれば、支出の多い時期には金利が変動しないので返済プランを練りやすくなります。
また、固定期間選択型の住宅ローンを取り扱う銀行などの金融機関のほとんどで、優遇金利が適用されていることが多く、また優遇幅も広めに設定されていることがほとんどです。
このように、固定期間は集中的に返済の負担を安定させることができるという特徴があるため、借り入れから10年の間に支出が集中している人にはおすすめの金利タイプといえるでしょう。
固定期間が終わると金利の見直しが行われ金利が高くなる可能性も
固定期間である10年は金利が一定になっており、優遇金利が適用されることも多い10年固定型金利ですが、固定期間が終わると金利の見直しが行われます。
借り入れから10年間は「固定金利+優遇金利」という好条件で借り入れできていた住宅ローンも、固定期間がすぎると金利に関する条件が一旦白紙に戻されるという状態になるのです。
原則変動金利への切り替えが行われ半年に1度の金利の見直し制度により、金利が上下する可能性があり、返済プランが立てにくくなるというデメリットがあります。
基本的に変動金利タイプは半年に1度金利の見直しが行われますが、返済額に関しては5年に1度しか見直しがありません。
そのため、金利の変動によってコロコロと返済額が変わることもありませんが、返済額の変動に関しては10年固定型では5年に1度の見直しが有効化されません。
よって、金利が変動することで月々の返済額が変動してしまうというリスクも持ち合わせています。
また、10年固定期間が終了した後にさらに固定金利を選択した場合でも、今までと同じ金利適用が継続されるわけではありません。
固定金利は国債10年利周りなどの市場が指標となっているので、一度決まった固定金利は変動しませんが、借りるタイミングによって設定される利率は異なります。
10年固定期間の間は適用になっていた優遇金利が適用されなくなりますので、金利が上がってしまうリスクがあるのです。
10年固定型金利が向いている人の特徴
ここまで10年固定型金利の特徴やメリット・デメリットについて説明してきましたが、これを元に10年固定型金利が向いている人の特徴を見ていきましょう。
10年固定型金利は頭金の多い人や短期借り入れする人向き
10年固定金利のメリットをざっくりといってしまえば、最初の10年金利が安定し優遇されているという点です。
そのため最初の10年のうちに完済に近い状態まで持っていける人であれば、非常にお得な部分のみを利用できる金利タイプといえるでしょう。
頭金が多く住宅ローンで借り入れする金額はそれほど多くないという方であれば、借り入れ期間も比較的短期間になりますので、10年固定型金利をおすすめできます。
頭金が少ない人や返済が長期化する人には不向き
逆に頭金が少なく、返済が長期化する人は10年固定型金利タイプの住宅ローンは不向きです。
10年固定型金利はあくまでも借り入れから10年の間にメリットの多い金利タイプになります。
そのため、10年を過ぎても支払いが長期化する場合にはデメリットの方が多くなる可能性が高いと言えるでしょう。
返済が長期化する方であれば、最終的な返済プランまでをしっかり立てやすい全期固定型金利などがおすすめです。